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新刊

新版「特別支援学級」と「通級による指導」ハンドブック
監修 田中裕一 文部科学省特別支援教育調査官
全国特別支援学級・通級指導教室設置学校長協会編
東洋館出版 令和元年8月1日発行



小・中学校でできる「合理的配慮」のための授業アイデア集
 監修 田中裕一 文部科学省特別支援教育調査官
 全国特別支援学級設置学校長協会 編


特別支援学級の魅力と多様な実践事例満載の
「特別支援学級だからこそできること」
監修 丹野哲也文部科学省特別支援教育調査官
全国特別支援学級設置学校長協会 編
東洋館出版社 平成27年6月22日発行
 

令和元年度活動方針 

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令和元年度 活動方針

テーマ 共生社会の形成に向けた特別支援教育の充実

1 情 勢
 新学習指導要領が、小学校及び特別支援学校小学部においては令和2年度から、中学校及び特別支援学校中学部においては令和3年度から、高等学校及び特別支援学校高等部においては令和4年度から完全実施される。今回の学習指導要領改訂は、障害者に関する権利の条約批准後、初めての改訂であり、共生社会の形成に向けた主旨が生かされた学習指導要領となっている。平成29年度からは通級による指導に係る教員定数の基礎定数化、平成30年度からは高等学校における通級による指導の制度化が始まり、幼稚園から高等学校まで、特別支援教育は一層の進展が図られている。特別支援学級に在籍する児童生徒や通級による指導を受ける児童生徒の増加傾向は続いており、多様な学びの場として社会からも期待されるところである。しかし、特別支援教育を受ける児童生徒数の増加に伴い、それを担う教員や専門家の育成が大きな課題となっている。文部科学省では令和2年度までの間に、特別支援学級担任の特別支援学校免許保持率を3割程度である現状の2倍程度を目標としているが、免許保持率を向上させるには難しい状況がある。
 また、就学前から学齢期、社会参加までの切れ目ない支援体制の整備として、家庭と教育と福祉の連携を図るトライアングル・プロジェクトなど、様々な施策が進んでおり、学校は関係機関と連携を図りつつ、児童生徒一人一人に応じた教育を推進することが急務である。
 これらの社会情勢の中にあって、校長は、障害のある児童生徒の自立と社会参加を目指して、共生社会を形成していくための特別支援教育を更に充実させていくため、特別支援教育を学校経営の柱として位置付け、次のステップへと進めるとともに、各学校でリーダーシップを発揮することが求められている。

2 基本方針
(1)障害者の権利に関する条約の批准を受けて、共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進を図る。特に、特別支援学級や通級による指導の充実を図るとともに、通常の学級における合理的配慮の提供や様々な支援の充実を目指す。
(2)特別支援学級及び通級による指導の一層の充実を目指し、会員の協力体制を強化するとともに、本協会の研修・研究活動等の充実を図り、学校長の特別支援教育に係る専門性を高める。
(3)全国の特別支援学級及び通級による指導の状況を把握するため調査研究を行う。
(4)幼稚園・保育所・こども園や高等学校との連携を強化し、生涯を見通した特別支援教育を推進する。
(5)国及び都道府県の関係機関との連携を深め、共通する課題の解決を目指す。

3 具体的な活動
(1)本協会から各関係機関への提言を作成し、特別支援学級や通級指導教室を設置する学校における特別支援教育の推進を図る方針を明確にする。
(2)研修・研究協議会、副会長会、役員・常任理事会等の活動内容の充実を図る。
  1)各県各ブロック研究協議会への協力を行う。
  2)研修・研究協議会を開催する。
   ア 令和元年度定期総会 5月30日(木)ベイサイドホテル アジュール竹芝
   イ 第56回全国研究協議会 8月1日(木)・2日(金)熊本県熊本市
   ウ 関東甲信越地区研究協議会 千葉大会 11月15日(金)千葉県千葉市
   エ 全国副会長研修会 第1回:5月29日・30日、第2回:7月31日・8月1日、第3回:1月30日
   オ 全国理事研究・研修協議会 第1回:5月30日、第2回:8月1日・2日、第3回:1月30日
  3)諸事業の円滑な執行のため、役員・常任理事会を年8回開催する。
(3)インクルーシブ教育システム構築に向けて、特別支援教育の内容及び方法の改善・充実を図るための諸事業を行う。
  1)新学習指導要領の主旨を徹底し実践を広げていくため、ハンドブックの改訂を行い、出版する。
  2)通級による指導の充実を図るため、通級による指導の実践事例集を出版する。
(4)小・中学校の特別支援教育の現状と課題に向けた調査研究を実施し、全国理事研究・協議会で報告するとともに、各都道府県に周知を図る。また、文部科学省への提言資料とする。調査研究では、独立行政法人国立特別支援教育総合研究所の協力を得て実施する。
(5)文部科学省、独立行政法人国立特別支援教育総合研究所の施策や諸事業への協力、各都道府県や政令指定都市等の教育委員会の特別支援教育に係る施策と連携する。
(6)全国連合小学校長会、全日本中学校長会、全国国公立幼稚園・こども園長会、全国高等学校長協会、全国特別支援学校長会、全国特別支援教育推進連盟、全日本特別支援教育研究連盟、全国手をつなぐ育成会連合会などの関係団体との連携を深める。
  1)全日本特別支援教育研究連盟全国大会(10月17日・18日 埼玉県大宮市)
  2)全国特別支援教育推進連盟全国特別支援教育振興協議会(12月 東京都)

4 全国特別支援学級設置学校長協会からの提言

提言1【社会や地域に向けて】
 障害のある人もない人も互いに支え合い、尊重し合う「共生社会」の実現を目指し、学校においては、全ての子供一人一人の力を伸ばすとともに、多様性を理解し様々な人々が共存しながら豊かに暮らしていくための社会を形成する子供の育成を推進します。
(1)多様な人々が共に暮らせる住みやすい町づくりの推進
(2)障害のある当事者の意思を大切にした社会づくりの推進
(3)障害者差別解消法に基づく基礎的環境整備や合理的配慮の充実
(4)生涯を通じた支援を行うための支援計画の作成・活用の周知及び充実
(5)コミュニティ・スクールにおける取組等、地域とともにある特別支援教育の推進  

提言2【行政機関に向けて】
 インクルーシブ教育システム構築の理念を踏まえた教育が学校で行われ、障害のある子供もない子供も共に学び成長していくとともに、関係する機関が連携を深め、地域において生涯を見通した支援がより充実することを推進します。
(1)幼稚園・こども園・保育所、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校との円滑な移行の促進
(2)学校と福祉機関や医療機関、民間施設との連携の促進
(3)特別支援学級の計画的設置及び通級による指導の基礎定数化を受けた計画的な教員配置
(4)特別支援学級や通級による指導の場の障害特性に応じた環境整備
(5)特別支援教育の体制整備の充実及び管理職の育成
(6)特別支援教育に関わる教員の育成及び体系的・系統的な教員研修の実施
(7)障害者権利条約を踏まえた柔軟な就学相談を実施するための相談体制の充実
(8)特別支援学級や通級による指導担当教員の特別支援学校教諭免許状保有率向上に対する支援の充実

提言3【学校長に向けて】
 障害のある子供の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、子供一人一人の教育的ニーズを把握し、そのもてる力を高め、生活や学習上の困難を改善・克服するために多様な学びの場を充実させるとともに、指導や支援の充実を推進します。
(1)配慮が必要な児童生徒に対する校内支援体制整備の充実
(2)学校における合理的配慮の提供に関する取組の推進 
(3)全ての教職員が特別支援教育に取り組むための研修の充実
(4)互いが貢献し合い、多様性を尊重するための障害に対する理解の推進
(5)特別支援学級や通級による指導の教育課程の充実及び理解啓発の促進
(6)特別支援学級や通級による指導担当教員の専門性向上のための特別支援学校教諭免許状保持率の向上
(7)特別支援教育コーディネーターの育成及び位置付けの明確化 
(8)切れ目ない支援体制を継続するための学校間の円滑な移行

提言4【教職員に向けて】
 障害のある子供も積極的に学習活動に参加し、障害の有無に関わらず、一人一人が豊かに成長できる学校づくりを推進します。
(1)関係機関と連携した個別の教育支援計画や実態に応じた的確な個別の指導計画の作成と活用
(2)特別支援学級や通級による指導における各障害種別に応じた指導内容・方法の充実
(3)障害のある児童生徒に対する指導の専門性の向上
(4)障害のある児童生徒と障害のない児童生徒の交流及び共同学習の一層の充実
(5)学校間の指導の連続性に関する取組の推進
(6)特別支援教育を必要とする児童生徒の進路指導及びキャリア教育の推進
(7)特別支援学校のセンター的機能を活かした相互連携の推進
(8)家庭・教育・福祉の連携「トライアングル・プロジェクト」による関係機関との連携の推進